「法は命を守ってくれない」 長崎2女性刺殺の被害家族

http://www.asahi.com/national/update/1227/SEB201112270076.html

容疑者による三女への暴力や脅迫メールを警察に相談していたのに事件を防げなかったことに、「今の法律は私たち一般市民の命を守ってくれない」と訴えた。

現在の警察の態勢では、事件が起こった「後」については、機動捜査隊による初動が行われるなど、かなり対応力がありますが、事件が起きる「前」について、所轄警察署でもたもたした対応をしている間に、取り返しがつかない深刻な事態に発展する、ということが繰り返されていて、態勢がかなり不十分ではないかと思います。以前に問題になった桶川ストーカー殺人事件も、そのパターンで、家族間トラブル、児童虐待等々、事件が起きる前に警察が適切に動けるかどうかで重大な事態に発展することを防げるかどうかが決まるケースは多いものです。
所轄警察署には、種々雑多な相談が持ち込まれ、対応する警察官のスキルもばらばらですから、多数の案件の中で、早急、強力に対応すべきものが埋没してしまい、取り返しがつかないことになってしまう恐れがあります。
この種の案件について知識、経験のある警察官からなるチームを、都道府県警察本部で、生活安全部長直轄で置いておき、各警察署から、適宜、この種案件に関する情報を収集し、必要に応じ支援しつつ、重大な事態に発展することを防止する、ということをやらないと、同様の悲劇が今後も繰り返されてしまうと思います。
こういった失態が繰り返されることで、国民の警察に対する信頼が失墜すれば、刑事事件の捜査にも協力が得られなくなり、事件解決も困難になるという「負のスパイラル」に陥りかねず、早急な対応が必要でしょう。