企業襲撃の暴力団規制 警察庁 構成員の行動制限

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011101302000191.html

同庁によると、民間企業に対して火炎瓶を投げ込むなど、生命や身体に危険が及ぶ手段での不法行為を繰り返す暴力団に対して、実行犯を特定できない場合でも組織の関与が明らかになれば全体を「特に危険」と指定。
現行法では抗争がある場合に限られている事務所使用の制限について、「特に危険」と指定した暴力団であれば抗争状態になくても使用中止を命じたり、所属する構成員全体の行動を制限することなど、より強い規制方法を検討する。

また、抗争状態にある暴力団の構成員について、抗争相手の自宅や入院先周辺などを徘徊(はいかい)することを禁じ、対立の激化を予防する措置も想定。
暴力団との関係遮断を進める企業に、不当要求を繰り返す事例があることを踏まえ、中止命令の対象となる行為の新たな類型化も議論する。

暴力団に対する規制が強化されつつあり、徐々に、暴力団組織自体の非合法化、結社禁止が視野に入ってきたと言っても過言ではないでしょう。
共謀罪に関する議論の際にも話題として出てきていましたが、国際組織犯罪防止条約は、共謀罪とともに、結社罪(組織的犯罪集団の目的等を認識しながらそのような集団の犯罪活動等に積極的に参加する行為を犯罪とする)を定めて、後者を立法化することも許容しています。日本では、結社罪という概念が従来なく、共謀共同正犯という概念があったため、共謀罪成立が目指され頓挫したという経緯がありますが、今後は、共謀罪を断念して結社罪の成立を目指す、という方向で動いてくる可能性もありそうです。
暴力団、と聞くと、規制されて当然、ということになりがちですが、広く、組織犯罪対策、ということで、今後大きく動いてくる可能性が高く、そうすると、労働組合、左翼、右翼の各種団体、環境保護団体、宗教団体等々、幅広く取り込まれてくる可能性もあり、結社の自由との抵触も問題になる可能性もあって、慎重に検討しなければならない要素をいろいろと含むというべきでしょう。