「よく立て直せた」「不幸中の幸い」 全日空機トラブルは“間一髪”

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110929/dst11092907460005-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110929/dst11092907460005-n2.htm

運輸安全委が作成したコンピューターグラフィックス(CG)によると、機体はゆっくりと左に90度近く傾いた後、一度はわずかに右方向に回復したが、再度左に傾き始めた。最終的には最大131・7度と、ほとんど裏返しになって急降下した。

このニュースには私も驚きましたが、副操縦士による、ドア開閉スイッチと勘違いし機体の左右の向きを調整するスイッチを2度にわたり左に回した、という単純ミスが、異常な飛行へとつながったもので、ヒューマンエラーの恐ろしさということを改めて感じます。異常な飛行状態からの回復が遅れれば、速度超過等による機体への負荷から、空中分解の危険性もあったとのことであり(今朝のフジテレビ「特ダネ」での元機長のコメントによる)、極めて危険な状態に陥っていたことがわかります。
ドア開閉スイッチと機体の向きを調整するスイッチは、ニュース映像を見る限り、間違えようがないように見えましたが、それでもこのようなミスが起きてしまう以上、人間工学に照らした、位置や形状の再検討が必要ではないかという気がします。また、上記の記事では、背面飛行からの回復措置がフライトシュミレーターにより訓練されているとのことですが、あり得ない、起きようがないと考えられるような異常な飛行状態が起きた場合を想定した訓練に、より厚みを持たせるということも、今後、検討される必要があるかもしれません。