昭和史裁判

昭和史裁判

昭和史裁判

「裁判」と言っても、普通の形式での対談なのですが、昭和史に精通している半藤氏と、研究者として、最近、特に注目を集めている加藤氏の対談、というのがグッドアイディアで、かなり充実した対談になっています。
人物を取り上げ論じる、という形式で進められていて、取り上げられているのは、登場順に、広田弘毅近衛文麿松岡洋右木戸幸一、そして最後に昭和天皇です。私は、今のところ、広田弘毅木戸幸一近衛文麿と読んできて、これから、残る松岡洋右昭和天皇を読もうとしているところです。
今のところ、考えさせられながら読んだのが、やはり広田弘毅で、改めて、なかなか評価の難しい人物であるということを感じています。その辺のことは、以前にも、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080831#1220179205
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080813#1218613006
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080712#1215852380
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070814#1187024536

でコメントしたことがありますが、昭和天皇による評価は厳しすぎ、城山三郎に描かれた広田像は美化されすぎていて、やはり、私が今まで読んだものの中では、

広田弘毅―「悲劇の宰相」の実像 (中公新書)

広田弘毅―「悲劇の宰相」の実像 (中公新書)

が、最も的確に広田弘毅を評価しているのではないか、広田弘毅本人が読んだ際に、最も納得するのはこれではないか、と今は感じています。