裁判員判決を破棄、NTT西元社員に監禁罪は無罪 大阪高裁

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110831/trl11083123540011-n1.htm

最高検によると、裁判員裁判判決を破棄し、一部でも無罪とした控訴審判決は初めてとみられる。
森岡裁判長は判決理由で、ホテルに無理やり連れ込まれたという被害者の証言について「やや誇張して述べている可能性がある」と指摘。「ホテルから出られないほどの強制があったとはいえない」として、監禁罪については無罪とした。

この種の事件では、警察からの送致事実のレベルで、監禁、といった罪名がついていることがよくありますが、被害者によくよく聞いてみると、いきなり監禁された、とまでは言えないことがあり、そういった手段的な部分は呑んで、最終的な目的、結果の部分の、本件で言えば強制わいせつ致傷の部分に絞って起訴する、ということが、行われることがあります。全体としては信用できる被害者の供述であっても、部分的には誇張や思い違いがある、といったことは往々にしてあるもので、その辺をうまく切り分けて、固いところで確実に起訴する、ということも、検察官の腕であり、そのためには健全な実務感覚といったものも必要でしょう。
証拠関係がわからないので、印象論になってしまいますが、そういった検察官の腕、スキルが、落ちてきているのかな、という印象は受けるものがあります。無罪になった、灰色無罪だ、裁判所や弁護士が悪いんだ、といった安易な片付け方をせず、捜査の在り方、起訴の在り方といったことについて、きちんと検証し、今後に生かしてほしいという気がします。