<ドイツ>ナチス副総統の墓撤去…教会が極右「聖地」化阻止

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110803-00000018-mai-int

ヘスはヒトラーの腹心で、第二次大戦後の戦犯裁判で「人道に対する罪」などで終身刑の判決を受け、ベルリンの刑務所に収監された。93歳で獄中自殺したが、ナチス幹部の中では最後まで生存した一人としてネオナチから神聖視され、墓は長年、巡礼先になっていた。

欧州では、先月22日に起きたノルウェー連続テロ事件の容疑者が過激な極右思想の青年だったことから、極右に対する警戒が高まっている。ブンジーデルのベック市長は独メディアに「ノルウェー事件後、極右がこのような動きを見せるのはドイツの恥だ」と語り、ネオナチを非難した。

ルドルフ・ヘスは、第二次大戦の最中に、単独で英国へ飛行し(和平実現を目指していたと言われています)、捕虜となった後、ニュルンベルク裁判で終身刑となり、長く受刑生活を送り、1987年に93歳で死亡しています。自殺とされていますが、他殺説もささやかれ、また、替え玉説も唱えられ(単独飛行時に入れ替わったとされる)、そもそも単独で英国へ飛行した点からして謎めいており、そういったミステリアスさもあって、次第にネオナチ信奉者により神格化されてきたのでしょう。
第二次大戦後、旧西ドイツ時代から、憲法擁護庁を設置し、ネオナチの動きを積極的に排除してきたドイツで、ノルウェーでの衝撃的なテロ事件もあり、そういった神格化に対して断固たる措置を講じるべきという気運が急速に高まってきたであろうことは、戦後ドイツの歴史に照らして理解できるものがあります。
ネオナチの問題を、小説でうまく扱っていて、かつて読んでおもしろいと思ったのが、フレデリック・フォーサイス

オデッサ・ファイル (角川文庫)

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で、ナチズムが、過去の遺物ではなく、今なお、現実的な脅威であることが、上記の記事を読んで改めて感じられました。