2バンク体制の看板を取り下げ 追い込まれたみずほの解体計画

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110523-00000001-diamond-bus_all

みずほの歴史は、旧富士銀行、旧第一勧業銀行、旧日本興業銀行の3行合併で幕を開ける。そして、個人と中小企業向けのBK、海外を含む大企業取引と投資銀行業務を担う、みずほコーポレート銀行(CB)という、世界で唯一の2バンク体制を敷いて猛攻勢をかけようとしていた。
ところが、対等合併固執するあまり、その実態は旧3行のバランス維持装置に終始する。ポストを分け合い、FGは旧一勧、BKは旧富士、CBは旧興銀出身者の既得権益の“入れ物”となった。そして、行内で互いの足を引っ張り合う、お世辞にも一体とはいえない、お粗末な経営体制を続けてきたのだ。

金融庁はみずほのこうした体制をかねて問題視しており、事あるごとに変革を迫ってきたが、みずほは温存し続けた。「ガバナンスがきかないなら解体もありうる」という言葉が出るほど、業を煮やしていた当局が、今回の失策を見逃すはずがなかったというわけだ。
今回、金融庁に攻め立てられたみずほは、現体制の解体を余儀なくされた。

とはいえ、銀行という“箱”を二つから一つにしてポストを減らしたところで、意識の面で行内が一つにまとまらなければ意味がない。

官僚的な組織であればあるほど、出身母体がどうこうとこだわり、いつまでも昔の仲間同士で小さく固まろうとしがちですが、みずほの場合、こういった組織の歪みが、先日の大規模システム障害の重大な背景となっている可能性も高いだけに、国民に、社会に多大な迷惑をかける罪深いものであったと断罪されそうですね。大規模システム障害まで起こさなければ変わることができなかった組織というのも、情けない気がします。
こういった悪弊にとらわれている組織は、他にも無数にあり、他人事と嘲り笑って済ますのではなく、貴重な教訓として学び、悪弊克服に役立てて行かねばならないでしょう。