東京消防庁放水「恐怖心を克服、プールに命中」

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110319-OYT1T00862.htm?from=main2

会見に同席した同庁警防部長の佐藤康雄総隊長(58)の説明によると、同隊はまず、18日午後5時過ぎ、同原発の正門から中に入った。当初の予定では、3号機そばの岸壁から直接海水をくみ上げることになっていたが、がれきや流木が現場に散乱して大型車が通行できなかったため、いったん撤退した。
同日午後11時30分、隊員約40人で再び敷地内に入った。そのうち20人が約350メートルにわたって手作業でホースをつなぐなどし、19日午前0時30分、屈折放水塔車の高さ約22メートルのホースから3号機に向かって20分間、毎分約3トンを放水した。
放水前の現場の放射線量は約60ミリ・シーベルトあったが、放水を終えた段階でほぼ0ミリ・シーベルトに。佐藤総隊長は、「(使用済み核燃料プールに)命中しているなと思った。139人の安全を確保しつつ、連続して大量の水を注入するミッションを達成できた」と笑顔で語った。

屈折放水塔車という、おそらく消防当局しか持っていない資器材を使い、単発ではなく継続的な、集中放水を浴びせかけることができたことが、成功につながったと言えるでしょう。そのような資器材を使うにあたり、うまく設置し、無人状態で(記者会見ではそのような説明がされていました)継続、集中放水ができるようにしたところに、日頃の東京消防庁による地道な訓練の成果や、今回の厳しいミッション完遂にあたっての周到な準備や決死の覚悟があったことは明らかで、本当によくやったと労ってあげたい気持ちになります。日本国民が、東京消防庁のような組織を持っていたことは、この未曾有の国難の中、一筋の光明を見るようなものでしょう。この作戦に失敗していれば、原発危機がますます深刻化し、人心や日本経済にますます深刻な影響を及ぼした可能性が高く、それだけに、この成功は何物にも代え難いものがあると思います。
まだ楽観はできないものの、今後、徐々に事態が収束へ向かう道筋はついたと言え、この勢いで、一気に事態を収束させてほしいものです。