男子予備校生逮捕へ 仙台で保護、親族から捜索願 合格大学取り消しも

http://sankei.jp.msn.com/region/news/110303/myg11030313580001-n1.htm

合格となった大学では、不正の実態を見極めたうえで、合格を取り消す手続きをする必要があり、府警はこうした手続きが行われること自体が偽計業務妨害容疑を構成する要件にあたるとみている。

業務を妨害する、とは、業務の執行自体を妨害する場合に限らず、業務の経営を阻害する一切の行為を含み、妨害の結果を現実に発生することを要せず、妨害の結果を発生するおそれのある行為をすれば足りるというのが判例です。
入試業務は、受験者の能力を厳正に判定し合格者を決定するために行われるもので、報道されているような不正行為があれば、少なくともそういった業務が阻害されるおそれが高く、また、現実にも、不正行為への対応のため関係者が本来であればやる必要のない作業を強いられてもいますから(その意味では、上記の記事にあるような合格取消手続といったことも含まれてくる可能性はあります)、全体として業務妨害に該当する、という評価は十分可能でしょう。
見えているもの(入試業務で言えば、業務自体が中断、中止されるような事態)だけが業務妨害ではなく、業務の本質的な部分(上記のような)が阻害されてしまうような場合に、そういった法益(法により守られるべき利益)侵害があることを率直に評価し、そうであるからこそ業務妨害罪が適用される必要があるのではないか、ということも考えておくべきでしょう。