旧海軍戦史に詳しく、韓国語堪能…流出の航海士

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101114-00000009-yom-soci

高専時代の同級生の漁師(43)(福井県)は「おかしい考え方を持っているような人間ではない」と振り返り、同級生で「(主任航海士を)何とか助けよう」と呼びかけ合っている。

戦前の日本では、5・15事件、2・26事件、血盟団事件など、様々な要人テロ事件、クーデター(未遂を含む)が発生しましたが、その背景には、富の偏在、多数の国民の窮乏、政治の無策があり、そういった企てに対しては、戦後に生きる我々には想像もつかないほどの、多くの国民の共感、支持が集まった事実があります。さらにさかのぼって、江戸後期に起きた大塩平八郎の乱は、飢饉に苦しむ民衆に救いの手を差し伸べようとしない幕府の無策に憤った大塩平八郎が、すべてを投げ捨てて立ち上がったもので、多くの民衆の共感、支持を受けたものでした。
違法なことをやってはいけないのは当然のことですが、世にゆがみが生じ、そういった事態に対し政治が無策であれば、それを正さなければという、「草莽の志士」のような人々が続々と出現し、身を捨ててでも正す、という行動に出ることになります。そういった行動を取り締まることだけに血道を上げるのではなく、私利私欲を捨てそういった行動に出る人が出ないような、出なくても済むような、ゆがみのない、政治が国民、国益に沿って正しく機能するような社会を作り上げなければならないでしょう。
その意味で、今回の「事件」(かどうかすら疑問がありますが)には、単に立件して取り締まればよいというだけでは済まない、奥深い、複雑な事情があるという気がします。