前特捜副部長ら改ざん隠し指示か 告白され「任せろ」

http://www.asahi.com/national/update/1002/TKY201010020356.html
http://www.asahi.com/national/update/1002/TKY201010020356_01.html

捜査関係者によると、前田検事から電話で「告白」を受けた際、佐賀前副部長は泣いたという。前田検事はこの際に、「ここはすべて任せろ」と佐賀前副部長から言われた。その後に過失と主張することを指示されたとの趣旨の供述をしているという。
また、前田検事は「その後、大坪前部長から『ミステークだよな』と言われた」と供述。最高検では、大坪前部長が佐賀前副部長と相談したうえ、そのように発言した疑いがあるとみている。

検事の人事というものは、東京で一元的に管理され、多くの人は東京地検を中心、機転とした異動をしているものですが、大阪地検を中心、基点として、主に関西、西日本で異動を繰り返している人がいます。報道でも「関西検察」などと呼ばれています。
関西出身者、関西に地縁、血縁がある人、関西の風土が気に入って定着したいと考えている人が、多くの場合、希望に基づいてそういったグループに入る傾向があります。
1期あたり、私のころ(任官したのは佐賀元副部長を含め51名)で10名弱程度で、現在は任官者が増えているので十数名くらいにはなっているかもしれませんが、全体の中では小さなグループである上、比較的狭いエリアで異動を繰り返すため、相互の人間関係は密接になりやすく、家族的なつながりに発展しやすい傾向があります。大阪的な、情に厚いカルチャーも、そういう傾向に拍車をかける面があるでしょう。
上記の記事にあるようなやり取りの真偽は、今後の解明に待つしかありませんが、大阪地検の特捜部長、副部長、主任検事といえば、このような固い絆で結ばれているものですから、主任検事が下手を打ってしまったことを知った部長、副部長が、何とか助けてやりたい、自分達の保身も図りたいと思い、隠ぺいに走ったということは、彼らの親密な人間関係を考えると、あり得ないことではなく、むしろ、大いにあり得ることという印象は受けます。
これだけ重大な問題が発生していながら、返還したフロッピーディスクすら調査していないということこそ、意図的な隠ぺいを強く裏付けるものということは言えるでしょう。