図書館HP閲覧不能、サイバー攻撃の容疑者逮捕、だが…

http://www.asahi.com/national/update/0820/NGY201008200021.html
http://www.asahi.com/national/update/0820/NGY201008200021_01.html

この問題は同県岡崎市立図書館で起きた。ソフトには、蔵書データを呼び出すたびに電算処理が継続中の状態になり、電話の通話後に受話器を上げたままのような状態になる不具合があった。一定の時間がたつと強制的に切断されるが、同図書館では10分間にアクセスが約1千件を超えると、ホームページの閲覧ができなくなり、大量アクセスを受けたように見えたという。
男性はソフトウエア技術者で、岡崎市立図書館から年に約100冊借りていた。図書館のホームページは使い勝手が悪く、新着図書の情報を毎日集めるプログラムを作り、3月から使い始めた。

捜査が不十分なまま、身柄を引き急いだということでしょうね。当初、被疑者を取り調べた時点で、業務を妨害するような動機が何ら見当たらず、上記の記事にあるような意図でプログラムを走らせていたことはわかったはずですから、逮捕は見合わせ、まずは在宅で事情を聞いて、図書館側のソフトの問題をきちんと検証する必要があったと言えるでしょう。
そういった捜査を並行して進めることで、自ずと、業務妨害という犯罪性のある事象とは異質なものであるということが判明したはずで、無駄な身柄事件にせず、在宅で検察庁に事件を送り、せいぜい嫌疑不十分程度で事件は処理できたはずです。
事件というものは、このようにして、思い込みとか捜査機関の暴走とかで作り上げられて行く場合がある、という恐ろしさを改めて感じさせるものがありますが、これを教訓として、捜査機関は、この種犯罪に対し、より慎重に臨む必要があるということも言えると思います。