http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100627-00000116-yom-soci
審判では6回にわたり双方の主張を検討。監視委は、08年12月、新井氏を初めて聴取した際、虚偽記載を知っていたと認めたとする「供述」を、「違反行為」と認定した主な根拠として挙げた。しかし、審判の中で、聴取は監視委が新井氏に要請した当日に実施され、時間も20分間に過ぎなかったことや、新井氏がその後の聴取で虚偽記載の認識を否定していたことが判明。審判は「新井氏は弁護士と相談しようとしたが、面会できず問題を把握できないまま(最初の聴取に)臨んだ」と指摘し、「(虚偽記載を)認識していたと認定するのは相当ではない」と結論付けた。
証拠関係を見ていないので感想にとどまりますが、認識、故意といったものを認定する場合、刑事事件では、簡単な調書1通程度で認定することは、まずなく、調書に信用性があるとして立証するのであれば、それなりに時間をかけた取調べに基づく、具体的、詳細な(「詳細さ」はケースバイケースですが)内容である必要があり、その前提として、事情聴取自体が適正、妥当なものとして行われたことが求められるでしょう。また、信用性が認められためには、調書に裏付けがあったほうがもちろん望ましくなります。
そういった観点で上記の記事にあらわれている経緯を見ると、事情聴取時間が短く、調書(質問顛末書、になるのでしょうか)もごく短いものであったと推測される上、さしたる裏付けもなかったことがうかがわれ、これで認識を立証するには無理があったという印象を受けます。今後の調査に、反省、教訓として生かしてほしいという気がします。