<裁判員裁判>千葉地裁で初の無罪判決…覚せい剤密輸事件

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100622-00000029-mai-soci

被告がボストンバッグ内のチョコレート缶に覚せい剤が入っていることを認識していたかが争点となった。弁護側は、土産として他人に渡すよう頼まれて缶を預かったなどとして「中身は知らなかった」と起訴内容を否認。検察側は「覚せい剤密輸で公判中の者からの依頼で、報酬約束で缶を持ち帰った」などと主張していた。

私が検察庁で最後に勤務したのは千葉地検で、5か月だけではありましたが、麻薬係検事としてこの種の薬物密輸事犯は十数件程度、捜査した記憶があります。中身は知らなかった、という供述になるのがほとんどで、認識を裏付ける直接的な証拠はないのが普通なので、状況証拠を積み重ね立証する、ということを丹念にやる必要があり、そのための捜査にもかなり手間がかかったことが思い出されます。
検察庁としては、この種の薬物密輸案件で無罪が次々と出るようでは薬物の水際防止が困難になると考える可能性が高く、控訴して逆転有罪を狙うのか、裁判員様のありがたいご判断ということでこのまま受け入れ確定させるのか、かなり悩ましいものはあるでしょう。