米司法省、携帯電話の位置追跡に「令状は不要」との見解

http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20408544,00.htm
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20408544-2,00.htm

わずか数年前まで、携帯電話の追跡は「エネミー・オブ・アメリカ」や「ダイ・ハード4.0」といったスリラー映画の世界の話だった。現在、警察は年間数千回にわたり携帯電話の位置情報を利用しているものの、根拠となる法規は不明瞭のままで、約30年も前に制定された連邦プライバシー法は多くの点で曖昧さを残している。

Obama政権は、捜査令状は必要ないと主張している。必要なのは米国連邦法典第2703条(d)項に基づく裁判所命令だけだという立場だ。同条項は法執行機関に対し、その記録が「捜査中の事件に関連性があり、重大な意味を持つ」ことを示すよう求めている。この基準は、捜査令状を発行するのに必要な基準よりも緩くなっているため、プライバシー保護の点で劣る。

日本の場合、この種の情報は、令状に基づき取得されているはず(「はず」というのは、通信事業者が裏でこっそり無令状で協力している可能性を完全には否定しきれないため)ですが、アメリカでの議論も、より厳格な令状に基づくべきか、裁判所命令によれば足りるかというものであって、捜査機関のフリーハンドを認めるものではないようです。
捜査上、被疑者だけでなく被害者(例えば拉致されているような)の所在を知るためにも、携帯電話による位置情報は有益ですが、濫用されれば旧東ドイツのような監視社会になってしまう恐れもあり、日本でも取り扱いには慎重さが必要で、今後も通信事業者が無令状で捜査機関に情報を提供するわけには行かないでしょう。