1万人が「人間の鎖」=ネオナチのデモ阻止−ドイツ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100214-00000012-jij-int

ドイツ東部のドレスデンで13日、第2次大戦末期の1945年に米英軍の爆撃で壊滅的打撃を受けてから65年となるのに合わせ、ネオナチグループがデモ行進を計画したところ、市民ら約1万人が「人間の鎖」を作って阻止した。
ネオナチは新市街に集結。市民はエルベ川を挟んで対岸にある旧市街に鎖を作って対抗した。鎖にはザクセン州のティリヒ首相やドレスデンのオロス市長、教会指導者、政治家も参加。同市長は「追悼の日を利用しようとするネオナチに立ち向かおう」と訴えた。

ドレスデン爆撃では、東京大空襲と匹敵するほどの死者(正確な数は今でもわからないようですが)が出て、多数の歴史的建造物も破壊され(戦後に再建されたものもありますが)、その非人道性や爆撃の必要性には、戦後も強い疑問、批判が投げかけられてきています。ネオナチ勢力は、ドレスデン爆撃を強く批判することで自らの勢力拡大につなげようとしてきたようであり、上記の記事にあるデモ行進も、そのような流れの中で挙行されようとしたのでしょう。
ドレスデン爆撃の問題点は、ドイツ国内でも当然認識されているはずですが、そうではあっても、ナチスの蛮行、ネオナチの台頭を許さず、1万人もの人が人間の鎖を作ってまでネオナチのデモ行進を阻止するというところに、戦後のドイツ(統一前は特に西ドイツ)という国家、国民が何を反省し何を目指してきたかということを強く感じさせるものがあります。それに対して日本は、ということを、私は今ここで言うつもりはありませんが、そういった視点で日本を見る、という向きも当然あるでしょう。