4億円「知人から預かった」=土地購入翌年の入金−再聴取に小沢氏供述

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100201-00000191-jij-soci

小沢氏側の弁護士によると、同氏は2度目の聴取に対し、この4億円の原資について、「既に死亡している知人から預かった現金だった。引き出してすぐに返した」と説明したという。
弁護士によると、この知人はかつて小沢氏の側近とされ、関連政治団体の代表者や会計責任者も務めていた人物。知人から預かったのは入金の直前で、入金するまでの間は事務所で保管していた。 

特捜部に徹底的に追及され、4億円の形成過程について、小沢氏の説明はかなり苦しいものになっているようですね。既に死亡した人から預かった、という供述は、暴力団関係のけん銃所持事件でよく出ますが、裏が取れないだけに、入手先を隠ぺいするための虚偽弁解ではないかと疑われることが多いものです。
政治家が政治資金を調達するパターンとしては、

1 元々持っている資産を使ったり、営む事業から捻出する
2 共産党公明党のように、組織力で資金を調達する
3 個人から薄く広く資金を集める
4 企業、団体献金に依存する

といったものがあって、鳩山首相の場合は1、小沢氏の場合は、西松事件に見られるように4に属するでしょう。企業、団体は、何らかの思惑がなければ資金を、特に多額の資金となると出しませんから、そこに贈収賄等の犯罪が潜在する可能性が常にあって、特捜部のターゲットは4のパターンの政治家に集中しやすい傾向があります。
政治資金に関する規制の強化で、かつては4に属していた政治家も、3に移行せざるを得なくなっている面があり、これはあくまで私の印象ですが、そういった状況の中、特捜部が情報収集する中で、突出して豊富な資金を集めている4の政治家が小沢氏、ということではないかと思います。その背景には、小沢氏の突出した政治力というものがあるでしょう。
特捜部には特捜部独特の正義感があり、また、大きな事件を手がけて名を後世に残したい、実績をあげ検察庁内で認められ日の当たるコースを歩みたいという立身出世欲もあって、ここまで大きく出た以上、徹底的にやって相手を倒さないと、逆に自分たちがやられてしまうという一種の恐怖感も手伝い、アクセル全開状態のように、おそらくなっているものと思われます。
昨日のエントリーでも触れましたが、小沢問題については、捜査の在り方ということと同時に、政治家の資金形成の在り方という、古くて新しい問題があって、それだけに非常に根が深いということを、改めて強く感じるものがあります。