硫黄島日本兵のDNA一致…終戦64年、遺骨帰る

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091211-00000022-yom-soci

遺骨は今月、終戦から64年余を経て故郷に帰された。「身内で焼いてあげたい」という遺族の希望に沿い、焼骨(しょうこつ)をせず、発見されたままの姿で引き渡したという。
この男性が南方戦没者のDNA鑑定で特定された第1号となるが、厚労省は「遺族の希望で名前や出身地は明かせない」としている。同省には遺族から、近く親族だけで静かに葬儀を行うと連絡があった。

「身内で焼いてあげたい」「静かに葬儀を行う」といったところに、ご遺族の感無量という心情が感じられます。
私が今まで読んだ中でも特に参考になった本の1つである

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)

のあとがきに、

本書に掲げた多数の戦場での教訓の数々は、ひたすら祖国のためにと思いながら歯を食いしばって、正確な情報に基づかない、誤れる戦略に殉じて散華していった三百万の英霊たちの叫び声に他ならない。

とあります。この本の著者の堀栄三氏は、「不毛地帯」のモデルとも言われる人物に対し、戦後、厳しい批判を加えていましたが、その人物が、かなり苦労したとはいえ、後半生で栄耀栄華をほしいままにしたのに対し、上記の記事にあるような無言の帰国をした人、無言の帰国すらできず異国の地で野ざらしになっている人も多数いることを思うと、堀氏が言うような「誤れる戦略」の取り返しのつかなさ、歴史に正しく学び誤りを犯さないことの重要性といったことを強く感じるものがあります。
今後も、遺骨収集にはきちんと人手、費用をかける必要性も感じます。