アルデプロ粉飾決算 課徴金2億8155万円

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091124-00000580-san-soci

勧告によると、同社は事業目標の達成を優先するため、平成18年1月中間期から21年4月第3四半期まで、売上高を過大計上するなどした虚偽の有価証券報告書を提出した疑いが持たれている。
最も悪質だった20年7月期には、連結純資産を約175億円も水増ししていた。

課徴金の巨額さからもその悪質性がうかがわれますが、課徴金制度が導入される前の刑事事件としての立件例と比較し、上場会社がこのような粉飾決算に手を染め投資家等を大きく欺いていたにもかかわらず刑事で立件されず金を払って終わり(ということではないかと思いますが)というのは、いかにも均衡を欠き不公平という印象を強く受けますね。
ある種の違法行為に対し、法執行機関が、今後、こういった案件には厳しく臨むという方針を立てたのであれば(法執行機関の長や組織内の責任者までが「額に汗して働く人の期待に応える」などと言いつつそのことを高らかに宣言して)、取り扱いを変える合理的な理由がない限り、一貫した方針で臨むべきであり、金を支払って終わりという制度ができましたから金さえ支払えば刑事で立件するのはやめました、では、方針変更前に厳しく取り扱われた人や組織は浮かばれないでしょう。国民の法執行に対する信頼を大きく損ねることにもなりかねません(既に大きく損なわれてしまっていて、何を今さら、という見方もあり得ますが)。
そのような取り扱いの激変がやむをえないとするのであれば、変更前に実刑判決を受け確定し服役中の人はかなり早期に仮釈放するとか、確定前の人には有罪認定が変わらないのであれば執行猶予を付するなど、上記のような不公平を是正し救済するということも真剣に検討する必要があるのではないかという気がします。