共同法律事務所のマネジメント戦略ー共同事務所経営のノウハウを探る(日弁連・業務改革シンポジウム)

昨日、松山全日空ホテルで、上記の分科会に参加してきました。別ブログの

共同事務所の可能性
http://d.hatena.ne.jp/takanawa2009/20091120/1258731855

でも書きましたが、私の事務所と同じ建物内に新事務所が立ち上がり、私は「大家」として運営に協力する立場になったということもあって、今までにはなかった問題意識を持って情報を収集することができました。
いろいろな話を聞いていて感じたのは、共同事務所には様々な形態があるものの、運営するにあたっては、社会通念に即した合理性が必要であり、できるだけ明確に、予め定められたルールに従い、整然と運営される必要があるだろうということでした。そういったルールは、固定的であるべきではなく、適宜、必要な見直しも行われるべきということも感じました。
複数の弁護士が業務を遂行する上でどうしても問題になるのは、1つの案件の中で各弁護士がどの程度の貢献度があったか、事務所を運営する中で経費をどのように負担して行くべきか、ということでしょう。前者の問題は、売上、入りの問題に直結し、後者の問題は、費用、出の問題に直結します。お金の問題で事務所運営が行き詰まり崩壊して行く、ということはよくありますが、おそらく、その多くで、この2つが問題になっているように思われます。
後者は、できるだけきめ細かく計算することで(ただ、きめ細かくなりすぎると煩雑で耐え難くなりそうですが)解決可能と思われますが、前者は、測定がなかなか難しい面があり、貢献度の評価により各弁護士への分配金が大きく変わってくるので、安易には決められず、悩ましい問題ではあります。名案はないものの、各案件における分担内容を具体的に検討して、十分な話し合いの中で決めて行くしかないでしょう。
配布された資料も、手元に置いておくことで、今後、活用できそうで、忙しい中、松山まで来た甲斐があったと思いました。