- 作者: 渡邉文幸
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/10/11
- メディア: 新書
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一昨日に、大阪へ向かう飛行機の中で読み始め、先ほど、羽田へ戻るまでの間に断続的に読んで読了しました。本文が308ページ、あとがきも入れると311ページあり、検察の歴史が凝縮されていて、読むのに骨が折れる本ではありましたが、内容にはかなりの充実度が感じられました。
総括的な感想としては、検察の歴史は、常に政治とともにあり、政治から一定の距離を置こうとししつつも距離を置くことができず、独善とそれに対する批判が繰り返されてきたというものではなかったかということでした。事件や騒動は、その時々で異なってはいても、根底を流れる原因や背景にはかなり似通ったものがあって、歴史というものはこうして繰り返されて行くんだな、ということが改めて感じられました。その意味では、現在起きていることについても、過去をさかのぼることで何かしら見えてくるものがある、ということであり、私には、この本を読んで何となく見えてきたものがありましたが、何かを見たい、という人は、是非、この本を手に取って読んでみてほしいという気がします。
これだけの本を書くには相当の労力を要したはずであり、かなりの力作、労作と言えるでしょう。それだけの価値はあったのではないかと思います。