江畑謙介「自民寄り」と発言 民主党代議士ブログ炎上

http://www.j-cast.com/2009/10/13051574.html

一方、専門家には、首藤氏の議論にも理解を示す向きがある。
軍事評論家の田岡俊次氏は、こうコメントを寄せている。
「江畑氏は本来、政治色がなく、技術的に精密でデータの豊富な記事を書かれ、感服することも多かった。ただ、首藤代議士のような中東・アフガニスタン問題の専門家から見れば、米国のアフガン戦争、イラク戦争などに関する江畑氏の論評には得心のいかない点が少なくなかったのもうなずける。首都を取ったから戦争はアメリカの勝利で、その後、治安維持に苦労した、という江畑氏の論評には私も首を傾げた。戦争は総合的なもので、首都を取っても負けた例は多い。ソ連のアフガン侵攻は初日に首都カブールを制圧したし、日中戦争でも日本は首都南京を攻略したが、戦争には勝てなかった。江畑氏は晩年、外務省等の政府の委員を委嘱されることが多かったためか、『米軍再編』などの著書もよく調べてはあるのだが、沖縄などの基地返還の可能性について否定的結論が多く、実際には米側がその後返還を申し出たため、食い違いが表面化したこともある。江畑氏の記事、論評はあくまで理科的であり、社会科的(歴史、民族性、政治、経済など)な観点で戦争を見る首藤代議士は不満だったのだろう。実際には、理科、社会の両面からの観察が必要なのだ」

亡くなった人というのは、生前、どのような力、影響力があっても、もう反論も何もできず、そもそも、日本の文化では、亡くなった人のことを悪くは言わないという美風(と私は考えています)もあって、上記の炎上ブログの記述は、江畑氏に対する批判がしたいのであれば、別の表現があるだろうし亡くなった直後ではなくもっと別の時期もあるのではないかという印象を、私は受けました。それなりに専門性はある人なのかもしれませんが、人情の機微とか他人に対する配慮とかができない、人として未熟、幼稚な人なのかもしれません。今回の総選挙で初めて当選したわけではないようですが、イナゴやバッタのように群がり現れてきた民主党議員について危惧されるような未熟さ、幼稚さを本質的に抱えてしまっている危険性を感じます。
それはそれとして、上記の田岡氏のコメントには、江畑ファンである私としても、なるほどと思えるものがあって、この問題の背景を考える上で参考になるものでした。特に、日本軍による南京占領やソ連によるアフガニスタン侵攻の際のカブール陥落が勝利に結びつかなかったということは、戦争というものの本質を考える上で重要ではないかという気がします。
今後、江畑氏の意見に対する批判が出てくるとしても、田岡氏のような冷静かつ死者に対する礼を失しないものを望みたいですね。