裁判員裁判 初の性犯罪審理 被害者配慮、匿名で

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090903-00000083-san-soci

検察側は冒頭陳述で被害者のプライバシーに配慮する一方、女性への乱暴の様子など犯行状況を詳細に明らかにした。犯行状況について述べている被害者や被告の供述調書を読み上げる際には捜査関係者らが犯行を再現した写真を傍聴席からは見えないよう配慮した上で、裁判官と裁判員のモニターに映し出した。再現写真は場面ごとに示され、その数は通常の刑事裁判よりも多く、裁判員が犯行の様子をイメージしやすいよう工夫したとみられる。

従来の裁判は、「調書裁判」と批判されてきましたが、調書裁判にも良い面はあって、こういった性犯罪の事件では、公判での証拠に関する説明は必要最小限度にして、裁判官が、「あとは読んでおきますから」ということで進み、被害者にとって恥ずかしい情報等があからさまにならずに済んできた側面があります。被告人質問でも、犯行場面等は、弁護人や検察官が、「そこは調書で述べているとおりですね。」といった質問をしてスルーすることがよくありました。もちろん、これは自白事件でのことで、否認事件であれば、そういうわけには行かなかったのですが。
上記の裁判員裁判は、自白事件のようですが、裁判員裁判であるが故に、被害者に、従来よりも多大な負担をかけ辛い思いをさせることになっているのは間違いないでしょう。
刑事裁判というものはそういうもの、と言ってしまえばそれまでですが、空疎な理想論に基づき現実を見据えずできあがってしまった制度というものが抱える問題点を早くも露呈してしまった、という見方は十分可能ではないかと思います。