週刊司馬遼太郎

週刊朝日で、時々の休載をはさみながら連載されていますが、7月31日号から、「坂の上の雲」の世界、という新連載が始まりました。今年末から、NHKで坂の上の雲がドラマ化され放映されるということでもあり、当分、この連載は楽しめそうだなと思っているところです。
第1回の中で、秋山好古(秋山兄弟の兄のほう、元陸軍大将)が、晩年、郷里の松山で中学校校長を務めていた当時、自宅で好きな酒を飲んだ後、よく道後温泉へ出かけていて、その際、出発した路面電車に向かって、「おーい、秋山じゃ。停めてくれ。」と呼び止めていた、というエピソードが紹介されていて(119ページ)、あれだけの戦果をあげ陸軍大将まで昇進し栄耀栄華思いのままという人物が故郷の中学校校長を地道に務めるということを含め、こういった人物であるからこそ、麾下の将兵を率い厳しい戦闘を闘い抜き、当時、世界最強と言われたロシアのコサック騎兵団を撃破するという目覚ましい戦果をあげることができたのだろうと、しみじみと感じました。