「ピック病で万引き」茅ケ崎市、元課長の免職取り消す

http://www.asahi.com/national/update/0624/TKY200906240282.html

中村さんは06年2月、自宅近くのスーパーでチョコレートなど3300円相当を盗んだとして現行犯逮捕された。不起訴となったが、市側は16日後に中村さんを懲戒免職にした。中村さんは以前から、同じものを買って帰るなどの行動を繰り返していたため、家族が大学病院で診察を受けさせ、若年性認知症のピック病と診断された。同年4月、市公平委員会に処分の撤回の申し立てをしていた。要介護2と認定されて08年7月からは障害年金を受けている。

ピック病については、過去に本ブログで取り上げたことがありますが、

若年認知症「ピック病」で万引き 厚労省が調査
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070226#1172446091
ピック病の影響により完全責任能力が認められないとの主張が排斥された事例(東京高裁平成20年5月15日判決)
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20081214#1229186201

こういったケースが、多くはないにしても確実に存在する以上、それと疑われるような場合は、懲戒処分の前に医師による慎重な診察、診断を経るといったことが必要でしょう。
その意味で、参考になり、また、誤りを是正したという意味で評価できる事案ではないかと思います。