再審開始 足利事件18年目の真実<1> 魔力にかすんだ反証 DNA型鑑定

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009062402000055.html

ついに、うその自供をした。刑事の手を握り、ひざが涙でぐっしょりぬれるほど泣いた。「完オチした」と勘違いした刑事の顔はほころんだが、本当は「どうにもならないという悔し涙だった」と菅家さんは言う。

いったん自白すると被疑者は物語を作る。矛盾しない話にしないと、刑事から怒られるからだ。怒鳴り声から身を守るため、菅家さんも懸命に考えた。
パチンコ店の駐車場にいた女児を自転車に乗せて渡良瀬川の河川敷の茂みに行き、自慰行為をした後、女児の首を絞めた−。

昨夜のNHK「クローズアップ現代」でも、足利事件について取り上げていましたが、上記の記事にもあるような虚偽自白の恐ろしさということは、特に強く、広く認識される必要があると思います。一旦、虚偽自白が生み出されてしまうと、力関係で被疑者を圧倒した取調官と、圧倒された被疑者との、一種の合作状態で、偽札作りが偽札を作るように、嘘が嘘を生み、次々と自白調書が作られて行くもので、その過程において、都合の悪い情報は捨てられ、嘘のストーリーに沿うように見える情報だけが取り上げられて行くものです。そこに、一見、権威ありげな精神医学者が、この男は小児性愛者だ、などと言って間違ったストーリーに箔をつけたり、マスコミも間違ったストーリーの尻馬に乗った報道をするなどして、完璧な冤罪が完成されて行く、そういう恐ろしさというものが、今こそ徹底的に検証、反省されなければならないでしょう。


追記:

足利事件再審請求即時抗告審決定(東京高決平成21年6月23日・判例時報2057号168ページ)