- 作者: シュロモヴェネツィア,鳥取絹子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/12/11
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で、ガス室等で虐殺された収容者の死体処理という「特殊任務」に無理矢理従事させられていたユダヤ人からの聴き取りをまとめたもので、収容所内における想像を絶する非人道的かつ悲惨な実態が明らかにされています。
ここまで堕ちることができてしまう人間(上記のユダヤ人ではなくナチスを指して言っていますが)の本性というものは、正に「原罪」と言っても過言ではなく、今後も、人類の歴史は、こういった人間の悪しき本性と常に向き合いつつ、善なるものを志向する、そういうものであり続けるし、また、そうでなければならないのではないかと、読み終えた後、しみじみと感じました。
アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所には、以前から行きたいと思いつつ、いまだに行けていませんが、地図で見ると、ラウル・ワレンバーグが活躍したハンガリーも程近いので、ナチスの人道犯罪を振り返り人間の原罪を見つめ直す旅、というものに出かけてみたいという気持ちに、改めてなりました。