小沢氏は選挙担当に−鳩山新代表 「二重権力」の見方否定

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009051701000198.html

小沢氏が今後も党の実権を握る「二重権力」構造になるとの見方を否定し「あくまでも代表は私だ。選挙資金も当然、代表として取り仕切らせてもらう」と強調した。

二重権力、と言うより、権力が形式面と実質面に分離して、実質が背後から形式をあやつる構造、と言ったほうが、より正確ではないかと思いますが、日本の歴史では、国家権力が、そういった二重構造状態になっていた期間が長く、日本における特徴とも言えるような気がします。
一貫して天皇制が続いてきたものの、平安時代藤原氏による摂関政治、その後の平家、鎌倉幕府の出現、更にその後の鎌倉幕府内部における執権政治、一時的な建武の新政を挟んだものの、室町幕府が出現し、戦国末には織田、続いて豊臣が権力を握り、その後は江戸幕府が長きにわたり実質的な統治権力を持って、幕末に至りました。
明治後も、当初は元老が権力を振るい、その後は、政党が勢いを持った時期はあったものの、軍部(特に陸軍)が権力を手中にし、敗戦を迎えています。
戦後に制定された日本国憲法天皇を「象徴」としているのも、歴史的な権力の二重性を受けたと見ることもでき、最近(でもないかもしれませんが)、実質が背後から形式を操っていたことで印象深いのは、「闇将軍」として君臨していた田中角栄元首相であり、小沢一郎氏は田中元首相の愛弟子、というところに、因縁めいたものを感じます。
今後、実施される衆議院議員総選挙の結果によっては、鳩山氏が首相になることも十分あり得ますが、誰が実質的な意味で権力を握るのかということについては、今後、注視する必要がありそうです。