「近親婚の繰り返しで断絶」=スペイン・ハプスブルク朝−遺伝学者

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090504-00000023-jij-int

スペイン・ハプスブルク朝最後の王カルロス2世(1661〜1700年)は体が小さく病弱で内臓疾患や血尿に悩んだ。2度結婚したが性的に不能だったとされ、世継ぎがないまま死亡。仏ブルボン家にスペインの王座を渡す結果となる。
この王の16世代にわたる祖先や血縁者3000人の系図情報を基に、スペインのサンティアゴデコンポステラ大学の遺伝学者らが近親婚のリスク度を示す「近親交配係数」を計算したところ、係数は初代カルロス1世の父親の0.025から代を重ねるごとに上昇、カルロス2世では10倍の0.254に達した。
同王朝の結婚11例中9例は近親婚で、カルロス2世も両親がおじとめいの関係だった。頻繁な近親婚は劣性遺伝子を発現させやすく、「2つの異なる遺伝子疾患(下垂体ホルモン欠乏症と遠位尿細管性アシドーシス)の同時発症」がカルロス2世を襲ったと遺伝子学者らはみている。 

歴史というものは、様々な観点、角度から見ることができますが、こういった生物学的、遺伝的な見地で見るのも興味深いものがあります。
以前、何かで読んだ記憶がありますが、江戸幕府では、将軍の正室には公家など高貴な家から人を迎えつつも、側室には、敢えて市井の心身ともに健康な女性を見出し迎えるということを行っていたということで(典型例は5代将軍綱吉の生母の桂昌院でしょう)、上記のような弊害が経験的に意識されていたのかもしれません。
上記の記事で紹介されている研究結果は、一般人にも接することができる形で、是非公開してほしいと思います。