過度の飲酒、ご注意を 「自分のペースで適正な量」忘れずに

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090424-00000572-san-soci

樋口さんは「一定量を超えて飲むことは良くないという意識を持つことが重要だ。酒を飲んだら無礼講というような考え方もあるが、度を超えると取り返しがつかなくなることもある。そういった現実をもう少し認識する必要があるのでは」と意識改善を訴える。
草なぎ容疑者が飲酒時にどんな心理状態だったかは不明だが、ストレスから飲酒に走る人もいる。社団法人アルコール健康医学協会(東京都文京区)の常務理事、古屋賢隆さん(67)は「少なくとも飲んだときにはストレスを忘れられると一般的には言われるが、本質的な解決にはつながらない。自分のペースで楽しく適正な量を食べながら飲むのが重要だ」と話している。

酒は飲んでも飲まれるな、などと言われますが、ここまで劇的に酒に「飲まれて」しまった人を見ると、改めて、節度ある飲酒の必要性ということをしみじみと感じさせられます。
酒を飲んで刑事事件を起こす、ということは、日常的によく見られることで、草なぎ容疑者のような公然わいせつ事案ののほか、器物損壊、喧嘩(暴行、傷害)、ふらふらする中での住居侵入、建造物侵入といった違法行為はよく見受けれます。
飲酒酩酊といものは、そうではない場合の抑制を解除して本能的な部分が頭をもたげがちな面があるので、飲酒の上、痴漢行為や、人によっては放火などの重大な犯罪に及ぶということも、多くはありませんが起きることがあります。
飲酒状態下で犯罪を犯した場合の責任能力については、昔から、ビンダーという学者が提唱した三分法というものが、実務でも比較的広く支持されていて、酩酊を

1 単純酩酊
2 異常酩酊

に分け、異常酩酊をさらに

1 複雑酩酊
2 病的酩酊

に分けた上で、単純酩酊が完全責任能力、複雑酩酊が限定責任能力心神耗弱)、病的酩酊が責任無能力(心神喪失)と考えられています。
草なぎ容疑者の場合、飲酒量が多量、犯行当時の記憶が欠落しているようですが、報道によると「全裸で何が悪い」といった言動もあったとのことで、単純酩酊の範囲内ではないかと考えられる一方で、行動の異常性が、日頃の人格(と言ってもどういう人格の人なのかよくわかりませんが)とかい離しているのではないかと感じられる部分もあって、鑑定してみると、異常酩酊とか病的酩酊といった結論が出る可能性がないとは言えないでしょう。
ただ、この種の、重大とは言えない犯罪(公然わいせつ)につき、鑑定まで行うということは通常はないので、草なぎ容疑者の責任能力について厳密な解明が行われるということは、おそらくないと思います。
SMAPファンの署名が100万人分くらい集まって検察庁に提出されれば、世論に動かされて鑑定が行われ、その結果が責任無能力ということになって不起訴、無罪、ということも起きるかもしれませんが、現実的ではないでしょうね。ただ、そうなれば、「人間として最低」ではなかった、飲酒酩酊により自らの行動をコントロールできなかったということが証明できることにはなるでしょう。