米AIG、巨額ボーナス既に支給=大統領、議会が猛反発

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090317-00000013-jij-int

ボーナスは、巨額損失を計上した複雑な金融商品取引を手掛けた部門の従業員らを中心に支払われている。この損失が原因でAIGは経営危機に陥り、公的支援を仰ぐ事態になったため、オバマ大統領はボーナス支給について「納税者に対する侮辱は全く正当化できない」と極めて厳しい口調で非難した。

従業員らとの間では、利益が出れば巨額のボーナスが出る一方、損失が生じても従業員らは何ら負担がなく、会社が損失をかぶるだけ、という関係になっていたのでしょう。そういう状態の下では、他人の金でバクチをして、当たれば自分のもの、はずれれば他人が損失を被る、といった関係と同様のことになって、モラルハザードが進み従業員らが一丸となって危うい投機的な取引にますますのめりこむことになった、ということが容易に推測できます。そこに、「契約は守られなければならない」という命題だけ独り歩きすれば、会社が破たんした後であっても、存続している以上、契約に従って巨額のボーナスが支払われなければならない、ということになるのでしょう。
世界経済が現在の惨状に陥っている張本人であるアメリカの、そのような惨状を生み出した本質、核心部分は何かということがよくわかるニュースではないかと思いました。