映画「誰も守ってくれない」

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仕事の合間に、六本木ヒルズの映画館で観てきました。平日の昼間だったせいもあるとは思いますが、客はかなり少なく、あまりあたってはいない感じでした。
そういう感じでしたが、内容はかなり良く、私が最近見た邦画の中でも、秀逸な出来であると思いました。
(以下、ネタばれ注意)
ストーリーは、かつて自らの(と言うよりも警察組織の、と言うべきですが)失態により子供が殺害されたことを今なお引きずり、妻との不仲にも悩む刑事が、殺人容疑者の少年の妹を保護する経過をたどりながら進み、その中で、メディアスクラムにさらされ、インターネットを駆使した不特定多数による好奇の対象になってしまう容疑者の家族の苦悩がリアルに描かれています。殺害された子供の家族と刑事が今なお接触を持つ中で、犯罪被害者の癒されることがない苦悩も描かれていて、現代の日本で、重大犯罪が起きた場合の加害者側、被害者側、それぞれの家族の重荷というものが、よくわかり、それだけに重く、暗い気持ちにさせられるものがありました。
興業的にはなかなか難しいものがあるかもしれませんが、優れた作品であり、こういった問題に少しでも興味がある方は、是非観ておくべきで、観て損はなく得るところは大きいという印象を強く受けました。