http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090126-00000507-san-soci
公判の争点は量刑となっている。検察側は冒頭陳述の段階で、「遺族は皆、死刑を望んでいる」と厳しい処罰感情に言及しており、極刑を求めると予想される。
情状面のポイントを私なりにまとめてみると、死刑方向にはたらく被告人に不利な情状としては、
1 被害者の帰宅直後を襲いわいせつ目的で拐取するという犯行動機、態様の悪質性
2 家族からの届出を受け、警察が動いたと知るや身勝手にも平然と殺害していること
3 殺害後、遺体を解体して処分し被害者の尊厳を踏みにじっていること
4 上記3の行為に及びつつ、平然と取材に答え無関係の第三者を装っていたこと
5 被害者に何ら落ち度はなく、遺族の処罰感情が極めて強い上、社会的影響が強く、厳罰の必要性が高いこと
であり、死刑を阻止する方向にはたらく被告人に有利な情状としては、
1 拐取の時点から殺害を計画していたとまでは認められず、犯行に稚拙な面があることは否定できないこと
2 被害者数が1名であること
3 犯行後、否認していた時期はあるが、その後は自白し、反省の態度を示し、被害者や遺族に謝罪していること
4 前科がなく(報道による限り)、本件犯行を除いては正業に就き通常の社会生活を営んでいたこと
5 若年で、更生の余地がないとは言えないこと
といったことになろうかと思います(あくまで報道を前提にまとめたものですが)。
最近は、殺害被害者が1名でも死刑が宣告されているケースは珍しくなくなっているので、裁判所が、上記のような不利な情状をどこまで重く見るかということが死刑、無期の分かれ目になるでしょう。