【信長の戦い1】桶狭間・信長の「奇襲神話」は嘘だった (新書y)
- 作者: 藤本正行
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2008/12/06
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同じ著者によるもので、
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060318#1142677145
でもコメントした
信長の戦争 『信長公記』に見る戦国軍事学 (講談社学術文庫)
- 作者: 藤本正行
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/01/09
- メディア: 文庫
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でも取り上げられていた、桶狭間の戦いについて、著者の考え方をさらに詳しく述べたもので、なかなか興味深いものがあると感じながら読みました。
織田信長による攻撃が、従来、よく言われてきたような迂回による奇襲ではなく正面攻撃であった、という著者の考えは理路整然としていて、良質な資料である信長公記が根拠になっているだけにかなりの説得力がありますが、では、圧倒的な兵力差があり劣勢であった織田軍が、なぜ今川軍を撃破し義元を討ち取るという目覚ましい成果をあげることができたか、ということが、依然として今一つわかりにくいと感じました。信長公記によれば突撃の直前に豪雨があったということで、これが今川軍の油断(まさか正面からの突撃はないという)につながったとか、油断が狼狽、混乱につながり、大軍であっただけに、一旦崩れ始めると崩れ方が大きく、大混乱の中を潰走する中で義元まで討たれてしまったなど、記録には現れない、戦場特有の特殊事情があったのかもしれない、などと思いつつ、当時の戦場を想像しました。