不合格者、過去最高113人に 司法研修所の卒業試験

http://www.asahi.com/national/update/1216/TKY200812160387.html

最高裁は16日、司法修習生(新61期)のうち1811人が司法研修所の卒業試験を11月に受け、101人が不合格になったと発表した。過去に卒業試験を不合格となり、再受験した33人のうち12人も再び不合格で、「落第」は過去最多の113人となった。

最高裁は卒業試験について「司法修習の課程をごく普通にこなしていた司法修習生にとっては、容易に合格レベルの答案を作成できる」と説明しており、難易度は変えていないという。昨年から追試をなくしており、不合格率が高止まりしている。

不合格者は実務の世界に出ることができないので、実務の中で問題を引き起こす、ということはありませんが、むしろ問題なのは、これだけの数の人々がいる以上、不合格すれすれで何とか滑り込んだ人々のレベルが、かなり低いところにあるのではないかと推測されることでしょう。私が司法試験を受験した頃は、論文試験の成績通知で、1000番までがA、1500番までがB、2000番までがCとなっていて、以下、500番刻みでD、E、F・・・となっていました。C評価くらいになると、大学3年生で受験してもその程度の評価をもらう人はいて、最終合格まではまだまだ遠い、というのが一般的な認識であったと記憶しています。当時と単純には同列に論じられないとしても、1800名程度の司法修習生ということになると、昔のC評価程度まで取り込んでいるともいえ、しかも、法科大学院修了者は1年しか修習期間がなく(私の頃は2年)、低空飛行の人が低空飛行のまま修習終了、実務の世界へ登場、ということになってしまうケースがかなり増えていると見るのが自然でしょう。そういった状態が、当の本人、周囲の人々、依頼者等の人々にとって、本当に良いことなのか、ということになると、かなり疑問で、そういった人々が年々、累積することが、様々な問題を引き起こして行くことになる可能性はかなり高いでしょう。司法改革の名の下に「改悪」されてしまった様々な物事の中の一つ、ということは言えそうです。