法科大学院の9割が定員見直しへ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081205-00000652-san-soci

各大学院では、入学定員の見直しのほか、成績評価の厳格化や質の高い教員の確保といった面でも、改善を検討している。

質の高い教員の確保、ということを、どのようにして実現しようとするのか、興味がありますね。今よりも改善する、ということは、ほぼ確実に無理でしょう。
法科大学院の教員として「質の高い」人物像を明確化するのは困難ですが、研究者として優秀な人のほか、優秀な実務家で理論にも強い、という人も、おそらく含まれるでしょう。優秀ではない研究者、理論に疎い実務家、というものは、かなり多くて掃いて捨てるほどいますが、そういった人々が、そもそも「質の高い教員」の範囲外であることに異論はないと思います。
優秀な研究者は既に法科大学院において何らかの形で教鞭を取っているはずで、これ以上増やしようがないでしょう。理論にも強い優秀な実務家、というものは、そもそも数が少ないもので、そういった人々は実務のほうが忙しく、既に法科大学院で教えている人以外で、新たに教えるような人は、いないとは言いませんが、いてもごくわずかしかいないはずです。
結局、質の高い教員の確保ということは、せいぜい現状よりも劣化させないという程度のことしかできず、検討のままで終わってしまうでしょう。