ローン返済、突如倍増 アイスランド、円建て人気裏目

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実は資金を「日本円」で借りた。それがつまずきのもとだった。
バブル経済で同国通貨クローナ金利が高いうえ、返済額が物価の上昇率に応じて変わる独特の制度もある。それに比べ円はずっと低金利だし、この国のインフレにも振り回されない。返済は円での定額を毎月のレートでクローナに替えて払う。「為替の変動が多少あっても割安」になるはずだった。
ところが、この春ごろから下落気味だったクローナ金融危機で暴落。ついに1クローナが約1円と年初のほぼ半分の価値に落ちてしまった。
手取りで26万クローナの月給のほとんどがローン返済に消えるはめになった。

明日からどうなるか。通貨下落が続き、失業は増え、物価は上昇し、給料はカット……。グローバル化がもたらしたサクセスストーリーはホラーストーリーに変わった。

為替の変動が多少あっても割安になるはずだった、の「はず」というところが読み違い、ということになるのでしょう。経済のグローバル化の中で、他国(上記の例では日本)の低金利の恩恵を簡単に享受できるようになっても、今回のような危機が発生すれば、その影響がたちまちのうちに世界中に広がり、このような事態に陥ってしまう、というところに、我々が立っている基盤の脆弱さ、危うさというものがあると思います。
1929年の世界恐慌から様々な教訓が引き出されたように、今回の世界的な金融危機からも多くの教訓が引き出されて、危機が危機を呼ぶという、危機の連鎖、拡大へとつながらないような制度作りということが、是非行われるべきではないかという気がします。