ネットなりすまし書き込み、接続業者に氏名等の開示命令

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081001-00000031-yom-soci

岸和田羊一(よういち)裁判長は「書き込みは閲覧者に、女性は品性、信用性のない人物であるとの印象を与える」として、業者に開示を命じた。
判決によると、2006年11月〜07年2月に3回、息子が私立中学校に合格した女性になりすました何者かが、女性の姓などを使って受験情報のネット掲示板に「当方の息子、名門R中合格」などと書き込んだ。

「女性は品性、信用性のない人物であるとの印象を与える」というのは、やや苦しい説明、認定という印象を受けますね。名誉毀損かどうかは、あくまで表現内容に着目して、それに即して判断するのが筋で、「そういう表現行為をする人である」という点に、名誉毀損性を求められるかどうかには、疑問なしとしません。
むしろ、本件では、なりすましを、端的に人格の同一性を偽る人格権侵害行為と見て、不特定多数が認識できる状態でのなりすまし行為により、情報の流通によって他人の権利を侵害した、という認定のほうが無理がなかったのではないか、という印象を受けます。
インターネット上でなりすまし行為というものはかなり多く、この種行為の違法性を考える上で参考になる裁判例でしょう。