母親、子どもの言葉で絶望的に 福岡の小1殺害事件

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008092301000704.html

トイレ介助を頼んだ際に「なんでそんなことしなきゃいけないの、と言われ絶望的になった」と犯行動機を供述していることが23日、関係者の話で分かった。

容疑者は「自殺衝動があり、普段から持ち歩いているビニールホースを使った」と話し、捜査本部が裏付けを急いでいる。

殺人事件の捜査で(弁護においても同様ですが)注意を要するのは、被害者の言動に関する被疑者、被告人の供述がどこまで信用できるか、ということでしょう。被害者になじられた、暴行を受けた、だから殺してしまった、といった供述はよく出ますが、被害者が死亡していてその真偽の裏付けを直接取れないだけに、被疑者、被告人供述を安易に鵜呑みにすることなく、その信用性を慎重に評価する、そのための捜査を尽くす(弁護人であっても供述をよく吟味する)必要があります。
本件で、上記の記事にあるように、「ビニールホースを持ち歩いていた」ということは、自殺用、という可能性もあると同時に、予め殺害を計画し、計画に基づき隠し持っていたという可能性も否定できない行為でしょう。計画性の有無というものは、事件の情状、量刑に大きく影響するものであるだけに、やはり慎重な捜査が必要であり、弁護人としても慎重に臨むべきところではないかと思います。