御巣鷹の遺族、JALで初講演 「空の平和」思い重ねる

http://www.asahi.com/national/update/0912/TKY200809120254.html
http://www.asahi.com/national/update/0912/TKY200809120254_01.html

事故から7日後、真っ黒に炭化したかたまりが、夫の遺体だと判明した。2本の歯の治療跡だけが決め手だった。大切な夫が、他人に不快感を与えるほどに尊厳を奪われ、「日航を恨みました」。
しかし、世話役の社員は嫌な顔もせずに、腐乱したにおいが漂う体育館で遺体の確認に付き添ってくれた。登山支援班の人たちは23年間、山道にくいを打ち込んだり、銘標をたてたり、慣れない土木作業を続けてくれた。「夢を持って入社したことでしょう。社員も、大きな意味で被害者ですね」
「お互い、平和な空であるよう祈りたいと思います」。池田さんはこう言って、講演を締めくくった。

過去の歴史をひも解いてみると、様々な失敗が、関係者の驕り、慢心、謙虚さを忘れたことから生じている、という例が非常に多いということがわかります。自分自身がいちいち失敗して学んでいては大変なことになるので、何に学ぶべきかといえば、やはり、過去における先人の様々な失敗、そういった失敗が生じた原因、そのような失敗を回避するためには何をすべきであったとかいう教訓、そういった様々なことを歴史の中で学ぶということが必要不可欠でしょう。特に、実務に携わる者が(私もそうですが)歴史に学ぶ意義をどこに見出すかといえば、やはりそういったところにあるのではないかと思います。
その意味で、JALが、上記の記事にあるような、痛みを伴うようなことを敢えて行い、貴重な体験談を現役社員に聞かせ、学ばせようとすることには、非常に大きな意義があると思います。
人間というものは、物事がうまく行ったり、他人が誉めてくれたりすると、とかく慢心しがちですが、そういった状態になったり、なりそうな時ほど、謙虚さということを意識し、歴史に学ぶということが必要になるということを、改めて強く感じます。