崩壊連鎖―長銀・日債銀粉飾決算事件

崩壊連鎖―長銀・日債銀粉飾決算事件

崩壊連鎖―長銀・日債銀粉飾決算事件

この本が出たのは1999年の末で、私自身、事件に興味を持って買ったものの、その後の静岡地検から千葉地検への転勤(2000年春)、失意の中での退職、転職(2000年8月、9月)の中、少し読んだだけで書棚の肥やし状態になっていました。
先日の最高裁における無罪判決で、改めて興味を持ち、少しずつ読んでいますが、長銀の成り立ちや全盛期、衰亡期、そしてバブル崩壊の中での惨めな破綻の過程を丹念に追跡していて、その後の展開も知った今、改めて読むと、なかなか興味深いものがあります。
事件の主導権をどちらが握るかを巡り、検察庁と警察(警視庁)が、醜い争いを繰り広げる場面も紹介されていて、無罪で確定した今となっては、主導権など取らなくてよかったと思っている警察関係者は少なくないでしょう。周囲の状況に合わせていろいろな色に変わるカメレオンのような人たちなので、「あの事件は元々おかしいと思っていた。」などと、無罪判決が、警視庁内などで自慢話のネタにでも使われているかもしれませんが、こういう本もまだ読まれていますから、下手な話はしないほうが身のためでしょう。