ほのめかす供述

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080525#1211723142

の「ほのめかす供述」について、昨日のコメント欄で疑問が呈されていましたが、これは、一種の捜査用語で、通常の意味での「ほのめかす」とは、ちょっと違った使われ方をしていると思います。
正確な定義はもちろんありませんが、

具体的ではなく、曖昧な内容ではあるものの、概括的な自白に至っている、あるいは、自白に至りつつある

という場合もあり、また、実際には、

具体的、詳細に供述し、裏付けも取れている、あるいは、取れつつある

という状況ではあるものの、今後の「本件」での再逮捕前に、具体的、詳細な供述を得ている、というのは、種々の意味で問題があるので、警察、検察発表上は、「ほのめかしている」という表現で語られるという場合もあるはずです。
ほのめかす、というと、

刑事さん、もしかしたら私が犯人かもしれませんよ、ふふふ

という感じのほのめかしを、つい想像してしまいがちですが、実際は、徹底的に追及され、ほのめかすどころか泣きながら自白している、ということについて、「ほのめかしている」という表現が使われることは十分あり得ます。
マスコミは、注目されている点について自白しているかどうか、ということを聞きたがり、その点は公表しても良い、しかし具体的なことは言いたくない、言えない、という状況下で、「ほのめかしている」ということであれば、ほのめかす程度のことをそれ以上は言えない、聞けない、ということにもなって、発表するほう、されるほうにとって便利、ということもあるでしょう。
そういった、様々な思惑を込めて、「ほのめかす」という言葉は使われるものですから、この言葉の背景にあるものを推測するということも必要になってくることがあります。