統制環境読本 「脱文書化3点セット」で内部統制が変わる!会社が変わる!

統制環境読本 「脱文書化3点セット」で内部統制が変わる!会社が変わる! (コンプライアンス選書)

統制環境読本 「脱文書化3点セット」で内部統制が変わる!会社が変わる! (コンプライアンス選書)

共著者の1人であるトーマツの丸山満彦さんから1冊おくっていただきました。ありがとうございます。>丸山さん
少し読んでみましたが、この種の内部統制に関する本は、「難しいことを難しく」書きがちで、手に取るのも億劫、という印象を受けるものが多い中で、「難しいことでもできるだけわかりやすく」書こうという明確な意思が感じられ、読みやすく、なかなか良いという印象を受けました。
私の場合、「リスク」を管理することに失敗してしまった方々の依頼を受けることが多く、どうしても、ああすればよかった、こうしておけばよかった、などという、「後悔先に立たず」的な話になることが多いのですが、同書中(92ページ以下)で、「不正のトライアングル」という理論が紹介されていて、人間が不正を働くのは、

1 動機・プレッシャー
2 機会
3 正当化

という3つの要因が揃った時である、とされていて、言い古された面はありますが、分析の視点としてはその通りであると思いました。
3の「正当化」は、狭い意味での正当化(これくらいはいいんだ、という心理)だけでなく、実際の問題行為においては、問題行為が発覚しない、隠ぺいできる、それらに失敗しても最終的に責任を免れることができるという、そういった心理も含めて考えるべきではないか、と、「後悔先に立たず」の世界を見ることが多い私は感じました。