前長崎市長銃撃死刑求刑 「なぜ父は殺された」 二女訴え

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20080319-OYT8T00750.htm

死刑を求刑した検察官の論告を前に、伊藤前市長の二女吉田貴子さん(34)が意見陳述を行い、最愛の父親を失った無念さを訴えた。現職市長が2代続けて銃撃され、日本中を震撼(しんかん)させた事件の判決は、5月26日、同地裁で言い渡される。

この事件で裁判所が下す量刑に関する判断が、この種の要人テロに対する今後の先例となる可能性が高いでしょう。
戦前も、浜口首相銃撃事件、血盟団事件、5・15事件、2・26事件など、要人テロが次々と起こっていますが、殺害犯人の中には意外な寛刑に処せられた者もいます。また、戦後では、浅沼稲次郎社会党委員長刺殺事件のような事件も起きていますが、この事件では犯人の少年が自殺しているものの、その行為や賞賛する声が今でも根強く残っています。
上記の長崎市長銃撃事件の場合、政治的な動機に基づくものとは言えないようですが、死刑が選択される場合には、この種事件を、民主主義に対する重大な挑戦であり民主主義に対する破壊行為である、と位置づけて、そのような行為を厳罰に処し民主主義を守る、といった見地が、おそらく不可欠になるのではないかと思います。裁判所が、そういったところまで踏み込んで行けるのかどうか、判決が注目されます。