有罪認定に必要とされる立証の程度としての「合理的な疑いを差し挟む余地がない」の意義は、状況証拠による事実認定をすべき場合であっても異ならないとした最高裁判例(平成19年10月16日第一小法廷決定)

先に、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20071022#1192985740

でコメントしましたが、判例時報1988号159ページ以下に掲載されていました。
先のエントリーで、私はうかつにも見落としていましたが、判例時報のコメントで紹介されているように、昭和48年の最高裁判例(放火事件で原審の有罪判決を破棄して無罪の自判)で、状況証拠による証明の程度について通常の証明よりも高度な証明を要求しているかのように読み取れる部分があり、また、そういった理解も一部にあったことから、そうではない、ということを明らかにしたのが、今回の決定、ということになるようです。
その意味で、きちんと押さえておくべき判例、ということは言えそうです。