続 獄窓記

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獄窓記

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が、刑務所内での生活を中心に描き、仮出所したところで終わっているのに対し、「続」では、仮出所後のことが描かれています。
最初の100ページくらいまで読んだところですが、国会議員から受刑者となり、服役後、出所した著者の、様々な場面での微妙な心理が書き込まれていて、体験した者でしかわからない迫真性、臨場感があって(刑事事件の判決文のようですが)、なかなか「読ませる」ものがあります。
特に感じたのは、著者のように、良い言葉ではありませんが「落ちるところまで落ちた」という状況においてこそ、周囲の人間の中で、真に思いやりがある人、心の優しい人、親身になってくれる人が誰か、ということが、くっきりと見えてくる、ということでした。
自分自身を飾ろうという意図なく、至って率直な語り口で書き進められていて、前作と同様、興味深く読める1冊になっていると思います。