元日弁連会長の「非行」議決 回収機構債務者から顧問料

http://www.asahi.com/national/update/0119/OSK200801190067.html

昨年12月11日付の議決書によると、鬼追氏は99年8月〜04年3月に整理回収機構社長を務める一方で、93年から大阪府枚方市の不動産会社と法律顧問契約を結び、月10万円の顧問料を受け取っていた。不動産会社は84年以降、旧住宅金融専門会社住専)から資金を借り入れていたが、旧住専の破綻(はたん)で債権が機構側に引き継がれた。
不動産会社の社長は03年12月20日、大阪市北区の法律事務所に鬼追氏を訪ね、機構の債権回収の手法や職員の態度について強い不満や苦情を訴えた。鬼追氏は社長に対し、機構の苦情相談室に書面で伝えるよう助言し、「改めるべきは改めることになろう」と述べたという。鬼追氏によると、社長当時、不動産会社に対する債権は数十億円あったとされる。
綱紀委は議決で、不動産会社長との面談後は「両社に実質的な利害対立が生じた」と指摘。この日から機構社長退任までの間に顧問料を受け取ったことは、「受任事件の相手方からの依頼事件」を行うことを禁じた日弁連の職務規定に反して弁護士の「非行」にあたると判断し、懲戒委に審査を求めるとした。

私であれば(私でなくても普通の感覚を持った弁護士であれば、おそらく)、整理回収機構の社長になる前、あるいは、それが難しければ、なった後、速やかに、自分の顧問先と整理回収機構の関係を確認し、利害相反状態にあれば顧問のほうを速やかに辞任する、という方法をとるでしょう。遅くとも、上記のように、顧問先から、整理回収機構に対する苦情を言われ利害相反が誰の目にも明らかになった時点で、顧問は直ちに辞任すべきで、その後も、社長退任まで顧問料をもらい続ける、という取り扱い、神経は、どう考えても理解できません。この元日弁連会長の大先生に、私は会ったことがありませんが、コンプライアンス意識が低いか、金への執着が強いか、あるいはその双方、ということではないか、と感じます。
日弁連会長ですら、こういった初歩的なところでつまずく、ということで、世間一般の弁護士に対する不信感がますます募るのではないか、と危惧されますね。
私のような、検察庁からはじき出されてしがない弁護士になったような者でも、この程度のことはわかるくらいですから、弁護士会を背負って立つような方々こそ、誤りなくしっかりと対応していただきたい、という気がします。