痴漢容疑男性に無罪 長時間取調べで任意性に疑い 東京

http://www.asahi.com/national/update/0108/TKY200801070361.html

伊藤裁判官は「逮捕直後からの長時間の取り調べで作られたもので、任意性に疑いがある」と自白調書を採用しなかった。

あれだけ痴漢冤罪事件が問題になり、次々と無罪判決が出たにもかかわらず、まだ、このような捜査を依然として行っていることに、あきれる思いですが、「長時間の取調べ」という点に着目して任意性を肯定しなかった裁判所の判断は注目されますね(他にも理由があったのかもしれませんが)。
従来は、しつこく、延々と取調べを続け、被疑者が肉体的にも精神的にも参ってしまって意に反した自白調書が作成された、という場合、具体的な暴行、脅迫等がないと、裁判所は、信用性は問題にしても、任意性は肯定してしまう傾向がありました。そういった傾向が、徐々に、取調べの本質的な問題点に目を向けつつ変わって来ているのかもしれません。