ネット仕手筋が暗躍 掲示板書き込みで株価操作

http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080104/fnc0801042246018-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080104/fnc0801042246018-n2.htm

証券取引等監視委員会もネット対策の人員を増やし、掲示板を巡回するなど監視を強化している。ネット仕手筋の手口を研究し、同一銘柄を1日のうちに売ったり買ったりして差益を得るデイトレードのような株式売買に着目、分析に力を入れている。
監視委への株価操作に関する情報提供もここ数年で急増し、中でもメールによる提供が多くなっている。ネットトレーダー相互の監視の目も厳しくなっているという。

ヤフーが絡む話題が続きますが、オークションと並んで、私自身が関与することが多かったのが、掲示板絡みの種々のトラブルでした。掲示板については、大別して、誹謗、中傷、プライバシー侵害等、人格権が問題になるような案件と、掲示板の中の、ファイナンス掲示板(銘柄別掲示板、とも呼ばれていますが)に関わる案件とがありました。後者の、ファイナンス掲示板に関わる案件は、株価への影響も大きく、上記の記事にあるような、金融商品取引法(旧証券取引法)違反にもなるようなケースもあるため、証券取引等監視委員会への協力、掲示板が立っている上場企業関係者からの相談対応、投稿の削除の要否の判断など、日々、神経を使いつつ対応していた、という印象があります。そういった中で、現在、ファイナンス掲示板に設置されている、証券取引等監視委員会への通報用のリンクも設定されています。
上記の記事にあるような違法事例は、立件例がまだ少ない状態ですが、証券取引等監視委員会内の情報、ノウハウも相当蓄積されていることは間違いなく、今後は、立件例も増えることが予想されます。
立件例が、なぜ今のところ少ないか、については、私なりにその原因をいくつか推測していますが、ここにそれを書くと違法行為を助長する可能性があるので書きません。ただ、そういった原因も、次第に克服されつつあるのではないか、とも感じています。
インターネットを使った、上記の記事にあるような違法事例は、手を染めやすいため、安易に犯されがちですが、逃げ切れる余地は、次第に、確実に狭まってきていると考えたほうが良いでしょう。