力士急死、前親方も傷害致死容疑 前夜の暴行が主因か

http://www.asahi.com/national/update/1231/NGY200712310008.html

調べでは、斉藤さんの血液は6月26日、救急搬送先の病院で採取された。血中のカリウム濃度を示す血清カリウム値は7.3だった。通常値は3.5〜5程度で、7以上で不整脈や心停止が起きる。血液からは筋肉の破壊で現れる酵素クレアチンキナーゼも通常より多く検出された。
この症状は高カリウム血症と呼ばれ、外傷分野の専門家によると、ビルから落下して全身を強く打ちながら出血が乏しかった場合などに発症。暴行によっても、非常に強い打撃を繰り返し受ければ起きるという。

カリウムのデータなどで、25日の暴行が相当に強い力で繰り返し加えられ死因となった疑いが強まったことから、県警はこの行為に傷害致死容疑が適用できるとみている。
遺体の状況からは、26日の外傷が追い打ちとなり死に至った可能性が高い。県警は目撃証言や他部屋への聴取から、26日もけいこの範囲を超えた暴行があったとみている。

何の鑑定を行っているのだろうか、と思っていましたが、この記事を読んで内容や目的が理解できました。
この事件の見方としては、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070927#1190883296

といったものではないか、と今でも考えていますが、暴行全体が、「共謀」で括られ、一つ一つの暴行と死亡という結果との間の因果関係までは要求されないとしても、ある日の特定の時間帯の暴行と死亡の結果との間の因果関係程度はきちんと結びつけられる証拠がないと、実行行為としてどこまで取り込めるかが曖昧不明確になり、事件全体が非常に不安定なものになりかねません。上記のような鑑定を行うことで、そこがクリアできる可能性は確かにあるように思います。
このような報道が出るということは、事件の捜査処理としても最終局面に入りつつある、という印象を受けます。